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【登山日記】20221029アコウ平から金峰山(御嶽道)

こんばんは。
2022年10月29日(日)に金峰山に行ってきました。金峰山は日本百名山の一つであり、もっともよく登られるルートは大弛峠からの往復のルートです。今回は、アコウ平から御嶽道を通って金峰山に登りました。

目次

御嶽道

金峰山は信仰の山であり、平安時代から信仰されていました。山頂にある五丈石を磐座(いわくら)とする山岳信仰です。御嶽道(みたけみち)は、その金峰山へ参拝するための道です。江戸時代には以下の9つのルートがあったとされています。

  1. 山梨市の万力から
  2. 山梨市の西保から
  3. 山梨市牧丘町の杣口から
  4. 甲斐市の吉沢(きっさわ)から
  5. 甲斐市の亀沢から
  6. 甲府市の塚原から
  7. 韮崎市の穂坂から
  8. 北杜市の小尾から
  9. 北杜市の江草から

メインの表参道は甲斐市の吉沢からのルートとされ、甲府市御岳町にある金桜神社を経由して、黒平(くろべら)、水晶峠、御室小屋を通り金峰山に向かっています。金桜神社周辺にはかつては200ほどの宿坊があったとされています。

金桜神社

表参道には金峰山の頂上までに10の鳥居があったとされています。一の鳥居は現在は、甲斐市の敷島総合運動公園に移築・復元されています。この鳥居は鎌倉時代につくられたもので、金峰山の方向を向いていたとされています(現在も金峰山の方向を向いています)。三の鳥居は金桜神社とされていますが、そのほかの鳥居は現在はない状況です。
途中の御室小屋には九の鳥居があったとされています。御室小屋は宿泊施設として利用されていてお風呂もあったようです。また入山料を徴収していたとされています。

御室小屋の見取り図(山岳第2年第1号より

今回は御室小屋の手前から表参道を辿り金峰山山頂へ向かいました。

歩いたルート

歩いたルートは以下の通りです。アコウ平~御室小屋跡~金峰山山頂間はバリエーションルートとなっています。

アコウ平→荒川→KK分岐→御室小屋跡→金峰山→朝日岳→大弛峠
距離:8.2㎞ 登り955m 下り544m 約7時間コース

GPSの記録は以下の通りです。

登山道の様子など写真

アコウ平の駐車場に駐車し歩き出しました。歩き出すとまずは荒川を目指して下ります。下り道は途中から昔の森林軌道跡を通るようになり、平坦な道となります。レールや枕木など一部まだ残っているようです。

アコウ平から歩きます
森林軌道跡のレール

荒川に出ると渡渉があります。丸太が渡してありますが、大雨の直後などは渡ることができなくなる可能性があります。荒川を渡った後は御室小屋跡を目指し、高度をあげながら歩きます。

渡渉場所。水はとても冷たいです。
御室小屋を目指して涸れ沢を歩きます。

平らな場所に出ると御室小屋跡です。10年前に歩いた時とは違い、御室小屋跡の廃材はきれいに整理されていました。以前はかろうじてまだ建物の形が残っていたのです。少し残念な気持ちになりつつも、御室小屋にあった御室神社の石段を観察しました。石段の横には五十町石があります。苔むしていて文字は読み取れませんでしたが、「文化十葵酉八月 従是頂上迄五十町 市川宿 世話人渡邊助左衛門」と書かれているようです。また五十町石の近くには祈禱の御札があり、年代を見ると令和と書いてあったので現在も修験者が訪れているようです。

御室小屋跡
御室神社跡。右にある石碑が五十町石です。

御室小屋跡で少し休憩したのち金峰山山頂へ向かいます。ここからがこの表参道の核心と言ってもいいぐらい厳しい登りが続きます。御室小屋跡を出てすぐに一枚のスラブ状の岩が出てきます。この岩、谷側に傾いているため、通過には細心の注意が必要です。鎖があるのでしっかり握りながら登ります。この岩を通過してもハシゴが連続し、気の抜けない道が続きます。時々景色が開けると富士山や南アルプスが良く見えました。

表参道の最大の難所
富士山がくっきり見えます

踏み跡はしっかりついていて、またピンクテープが至る所にあるので迷う箇所はほぼないのですが、どんどん高度を上げるため非常にきついです。時折樹林帯を抜けて景色が広がる箇所があるのが救いでした。

目指す山頂の五丈石ははるか向こう
南アルプスがきれいに見えました

五丈石を遠くに見ながらも徐々に高度を上げていきます。五丈石がだんだんと近づくとその大きさに圧倒されます。大弛峠から来た時に見える五丈石ではなく、この表参道から見える五丈石が正面となります。五丈石手前に石垣がありますが、これは過去の本宮社殿跡になります。昔はここに30人ほどが泊まれたそうです

迫力ある五丈石
かつて本宮社殿があった石垣

石垣を通り過ぎると金峰山山頂です。ここまで誰にも会わなかった道でしたが、山頂は人、人、人・・・大弛峠からはたくさんの人が来ていました。山頂でお昼にしました。

石燈篭。江戸時代のものかと思われます
お馴染みの五丈石
通過した片手廻し岩がはるか下に見えます
山頂からは八ヶ岳がきれいに見えました

昼食を食べた後は大弛峠を目指します。こちらの道の方が日当たりが悪く雪がかなり残っていました。特に問題なく歩き大弛峠に到着しました。その後、林道を下り、敷島総合運動公園へ向かいました。ここには一の鳥居が移築・復元されておりそれを見に行きました。渋滞などもあり日没直前に何とか間に合い写真を撮ることができました。

一の鳥居
一の鳥居は鎌倉時代に造られたようです

感想など

当日の天気は快晴で歩いている間は暑く感じました。今回歩いた御嶽道ですが、10年ほど前に山頂から黒平手前まで歩いたことがあります。その時は地下足袋で歩いたのですが、一枚岩の難所を難なく下りられていたのに驚きました。残念ながら御室小屋はきれいになってしまいましたがその他の部分は変わっておらず、古道ならではの雰囲気に満ち溢れたいい道でした。登っているときは大変つらかったですが、また歩きたいと感じるいい道です。次回は黒平から歩いてみたいと思いました。
※一般登山道ではありませんので、万全の準備を整えたうえで歩くようお願いします。

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