こんにちは。少し前ですが、北アルプスの白馬岳に行ってきました。ほんまは、南アルプスの塩見岳に行こうと思ったのですが、宿泊予定の山小屋でコロナが発生したため、泣く泣くキャンセル・・・行ってみたかった鉱山道と合わせていってきました。
白馬岳と鉱山道について
白馬岳
白馬岳は日本百名山にも選ばれている山です。標高は2932mと、八ヶ岳の赤岳より少し高く、南アルプスの甲斐駒より少し低い標高です。白馬岳の山頂に登るには主に以下のルートがあります。
- 大雪渓を通るルート
- ロープウェイを使って栂池自然園から白馬大池を通過するルート
- 蓮華温泉から白馬大池を通過するルート
白馬岳は花の百名山に選ばれていることから多くのお花が咲きます。北海道を除いては八ヶ岳と白馬岳にしか咲かないウルップソウやハクサンイチゲなど様々なお花が咲きます。
白馬岳には多くの山小屋があります。白馬山荘、白馬岳頂上宿舎、白馬大池山荘、天狗山荘、白馬鑓温泉小屋など、特徴持った山小屋が多くあります。
鉱山道
鉱山道(こうざんどう)とは、雪倉岳の麓にあった、蓮華鉱山(雪倉鉱山)にアクセスするために作られた道です。蓮華鉱山では様々な鉱物が採掘されていましたが、雪深く険しい環境のため、あまり操業は続きませんでした。江戸時代から開発がすすめられましたが大正時代には完全に採掘事業から撤退しているようです。そのため、過去の精錬所などと言った建物は朽ち果て跡地があるのみです。道中には精錬所跡や鉱山事務所跡といった看板がありますが何も残っていないです。
鉱山道は山と高原地図では一般登山道として記載されていますが、あまり歩く人は多くありません(私が歩いた日は下りは私以外にもう一人のみ、登りは10人ほどすれ違ったのみです)。白馬岳というメジャーな山ですが静かな登山道です。
※2021年に歩いたタンボ平とよく似ています。タンボ平のヤマレコはこちら。
登山道は沢沿いを歩きます。この地域特有の雪解け水の多さ、また地形の影響によりとても水量が多いです。登山道もあまり整備されておらず、また沢沿いを高く巻く箇所もあるので滑ると危険です。熊もおそらくいると思いますが、子育ての時期、冬眠前の時期、夕方以外の時間帯ならば会うことも少ないと思います。あまり、山を歩いたことがない人はこの道を歩いたことがある経験者と一緒に行くことがベターかと思います。
歩いたコース(GPX)
アクセス・駐車場
蓮華温泉駐車場には糸魚川インターからアクセスしました。糸魚川インターから向かうとセブンイレブン糸魚川大野店が最後のコンビニになります。買い物はここが最後にできる地点なのでお忘れなく。
セブンイレブン糸魚川大野店から国道148号線を長野方面に向かい、平岩駅近くで蓮華温泉に向かう林道に入ります。林道は約21㎞あります・・・カーブも多く見通しが悪いところもありますので運転には注意しましょう。
駐車場は蓮華温泉駐車場です。約70台駐車できますが、夏山シーズンや紅葉シーズンだと前泊している方が多いのでなるべく早めに向かいましょう。今回、午前3時45分に到着しましたがその時点でほぼ9割埋まっていました。私より後に来た人は駐車場に止められず、駐車場手前の空きスペースに駐車していたようです。
電波状況
私はドコモ回線を使用しています。電波状況は下記の通りです。
- 天狗の庭付近
- 白馬大池付近
- 小蓮華山
- 三国境
- 白馬山荘(一部)
1日目:蓮華温泉ロッジ~白馬大池~小蓮華山~三国境~白馬岳~白馬山荘
初日は諸事情により一睡もできず、久々の徹夜で登山開始でした。蓮華温泉ロッジを出発し、歩きやすい道で高度を稼いで1時間半ほどで天狗の庭へ。天狗の庭へ出ると下界はすべて雲の中、朝日に照らされた雲海が広がっていました。ただ近くの雪倉岳の山頂にはすでに雲がかかっていたので、ガスに覆われるのは時間の問題と判断し、なるべく早めの行動をするよう心がけました。
天狗の庭からは、大きな石が点在する少し歩きにくい道を歩くと白馬大池山荘と白馬大池に着きます。白馬大池周辺は山荘に泊まっている人が多くたくさん人がいました。白馬山荘周辺は少し草紅葉が始まっていました。
白馬大池で少し休憩し、船窪の頭に向かいます。船窪の頭手前で、ガスに追いつかれ真っ白になってしまいました。良く写真で見る白馬岳へ続く稜線は全くわからず・・・おまけに小雨も降ってきます。白馬山荘まで行かなければならないので黙々と歩きます。小蓮華山では前日白馬山荘や白馬頂上宿舎に泊まった人が多くいて、ごった返していました。そうそう、ガスに覆われて天気もあまりよくなかったので途中、ライチョウに会うことができました。
小蓮華山を越え、三国境まで来ても相変わらずガスの中。翌日向かう鉱山道への分岐を確認し、白馬岳頂上を目指します。三国境から標高差で約200mほどですが、結構な急傾斜です。ガスの中、先も見えず苦戦して白馬岳頂上へ。ガスが晴れてご褒美なんてこともなく、虚無な景色が続いていました。しばらくは晴れないと判断し、白馬山荘へ向かいました。11時から受付でしたので、少し待ち受付して、昼ご飯にカレーを食べました。1500円でしたが、めっちゃおいしかった。
3時間ほど仮眠し、起きるとガスが晴れてる!!ということで、17時からの晩ご飯を食べたのち、食後の散歩で山頂へ向かいました。それはまぁ最高の景色が広がっていました。
日の入りまで最高の景色を楽しんで、小屋に戻って生ビールを飲みました。中秋の名月だったのでスマホで撮影してみました。その後、翌日に備え20時に寝ました。
2日目:白馬山荘~白馬岳~三国境~鉱山道~蓮華温泉
朝食は5時から先着順でしたので4時に起きて、パッキング、歯磨きを済ませ、スマホで星を撮影して、朝食に並びました。そのおかげで5時に食べることができ、予定よりも早く5時半に出発することができました。外に出ると雲一つない快晴。昨日は見えなかった、富士山や槍、穂高も見える大パノラマでした。
白馬山荘を出て、まずは白馬岳へ。コースタイムでは15分ほどですが、後ろの景色が素晴らしすぎて、全然歩が進みませんでした。
白馬岳山頂から次は三国境を目指して下ります。この下りで見たかったのは二重山稜(線状凹地)。南アルプスの間ノ岳(間ノ岳から農鳥小屋に下る間は明瞭です)の二重山稜は有名ですが、白馬岳にもあるのでそれが見たかったのです。地形もよく見るとおもしろいのでぜひ見てください。
三国境に到着し、いったん雪倉岳方面へザレ場を下ります。このザレ場結構滑るので注意が必要です。カール地形を歩き、しばらくすると鉱山道の分岐に到着します。
鉱山道分岐からは一気に歩いている人が少なくなります。ペンキが数m置きについているので迷うことはないと思います。沢に沿って下っていき途中何度か沢を横断していきます。「うまい水」は本当においしかったです(うまい水を見つけたとき、テンションが上がってウマイスイ、ウマイスイと連呼していたのは内緒です)。
この鉱山道、冒頭で記載したように鉱山に関する跡地があります。塩谷精練所跡や飯場跡、鉱山事務所跡。もう建物は何も残っていませんが、塩谷精練所跡では陶器の破片を見つけることができました。人工物があることで、こんな人里離れた険しい場所でも確かに人間が生活していた痕跡があり感動しました。
この鉱山道、人があまり歩いていないですが、途中お花畑があったりと、雪渓が残っていたりとかなり変化に富んでいる道でした。
お花畑や沢を流れる水の音、雪渓などを満喫しつつ歩いていくと平らな場所に出ます。少し行くと「神ノ田圃」と呼ばれる場所に出ます。言葉では言い表せない、神々しい景色が広がっていました。今回、鉱山道を歩いたのはこの景色を見ることが目的でした。
神ノ田圃を満喫しさらに下っていきます。途中からだんだんと道幅が広くなります。おそらく鉱山の関係で歩きやすくしたためかと思います。さらに下っていくと、大きな沢(瀬戸川)を渡る橋にたどり着きます。橋を渡ると斜面を高巻きします。結構ざれていて滑ると沢まで滑落してしまうので注意が必要です。
道なりに進むと雪倉岳方面へとの分岐に当たります。ここからは木道を蓮華温泉までひたすら歩きます。この木道が結構滑りやすくて難儀しました。木道が終わると林道に出て、キャンプ場の横を通り坂道を登ると蓮華温泉に到着です。
蓮華温泉に着いたら、温泉に入りました!内湯と野天風呂併せて入浴料800円でした。まずは野天風呂に入りました。野天風呂までは、また登山ですw途中道沿いにある三国一の湯を脇目に見つつ、仙気の湯に入りました。脱衣場もなく、さらに屋根もないので解放感満点でした。お湯の温度は暑く、長くつかることができませんが非常にいいお湯でした。
仙気の湯に入った後は、内湯にも入り帰路につきました。ヤマレコの記録は↓です。
鉱山道を歩いての感想
今回鉱山道を歩いてきました。こんな山深いところで人間が活動していたということに非常に驚きました。またたった100年しか経っていないに人工物を自然に還してしまう自然の力にも驚きました。
遺構は他にも探せば何か残っていないのだろうか、坑口なんか残ってないのかな・・・
道としては昨年歩いた「タンボ平」の方が藪が高く大変だった気がします。ただ、私の感想なので歩かれる方は入念に準備をしたうえで歩いてください。
白馬山荘はさすが!という山小屋でした。売店で手ぬぐい、ピンバッジはもちろん、あまり買わないキーホルダー(白馬雷蔵)を買ってしまいました。ご飯もおいしく快適な山小屋でした。コロナ対策としてインナーシーツをなるべく持参してください。
ここまで、お読みいただきありがとうございました。
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