こんにちは。今回は、プロフィールの特技に記載している樹木(葉っぱ)のことです。
他のガイドさんですと、お花が得意!という方は多いと思います。そんなガイドさんが多い中、私は樹木、特に葉っぱを見て、この木はなんだ?と解説ができます。おそらくこのようなガイドさんはあまりいないでしょう。
ではなぜ私が樹木が得意になったのか?経緯は?どうやって樹木を判別しているのか?を中心にご紹介いたします。
木の葉っぱって・・・
皆さん、登山をしているときに木の葉っぱって見ますか??あまり見ませんよね・・・やっぱりきれいなお花だったり周りの景色を見てしまいますよね。地味ですよね、木。
おそらく一番木が注目される季節は秋、そう紅葉ですね。それ以外のシーズンだったら葉っぱがなかったり、緑色で何が何だかわからないのが現実。でも、木の葉っぱって、当たり前ですが木によって違うのはもちろん、場所や日当たりによっても同じ木でも形や大きさが違ったりして個性的なんですよ。
どうして葉っぱに興味を持った?
そもそものきっかけは大学生の時です。必修科目に樹木学というのがありまして・・・
それがなんと、葉っぱで樹木を判別することを学ぶという恐ろしい授業だったのです。しかも、約200種類覚えるという・・・
とまあ、単位を落とすわけにもいかないため、必死で葉っぱを見て樹木を判別する練習をしました。大学キャンパス内はもちろん、八王子付近の山や高尾山でも実習という名の葉っぱを見て樹木を判別する練習をしました。最初はいやいやだったのですが、だんだんわかるようになってくると楽しくなり、葉っぱに興味を持つようになりました。
大学から使用している図鑑はもうボロボロですが、良きパートナーになっています。
葉っぱによる樹木の見分け方
葉っぱを見て樹木の判別方法ですが、詳しくは登山教室に参加してください。いろいろ解説しますよ🎵
ここでは少しだけお話しします。
まず大きく分けると針葉樹と広葉樹があります。
- 葉っぱが尖がっている
- 例えばスギやマツなど
- 日本に生育している針葉樹のほとんどが落葉しない(カラマツだけ例外)
針葉樹については見分け方が簡単だと思います。広葉樹についてはさらに見分け方があります。例えば・・・
- 一年中葉っぱがついているかどうか?
- 葉っぱの枝への付き方(対生、互生?)
- 特徴的な葉っぱの形があるか?葉の切れ込み(裂片)がいくつあるかなど
- 葉っぱに毛が生えている?
などなど、かなり見分けるのが大変です。
秋によく紅葉するカエデについては自生種だけでも日本に26種類あり、公園や植生で植えられている種、外来種など数多くあります。
樹木を判別することによるメリット
では樹木を見分けることによるメリットが登山にあるのでしょうか??
実はあります!
①標高がわかる
皆さんが登山をしていて、標高が上がっていくと生えている植物が変化していくことはよくご存じかと思います(専門用語で垂直分布といいます)。樹木も垂直分布があり、周りの植物を見ることによって自分の今いる標高がどのぐらいかを把握することができます。本州の場合、こんな感じです。
標高帯 | 見られる樹木 |
---|---|
~700m | クスノキ、シイ、カシなど |
700m~1500m | カエデ、ブナ、ミズナラなど |
1500m~2500m | シラカンバ、ダケカンバ、コメツガ、シラビソなど |
2500m~ | ハイマツ |
②日が当たるところかどうかわかる
樹木には育つためにたくさんの日光を必要とするもの、弱い光でも育つことができるものがあります。専門用語でいうと陽樹と陰樹です。以下が代表的な陽樹と陰樹です。
陽樹 | 陰樹 |
---|---|
アカマツ、コナラ、カラマツ、ダケカンバ、シラカンバなど | シラビソ、ブナ、ミズナラ、アオキなど |
伐採跡や風などによって木が倒れたところにまず生えてくるのが陽樹です。標高の高いところでよく見かけるダケカンバやシラカンバは日の当たるところで生育しています。
陽樹が育ってくるとやがて陰樹が侵入してきます。陰樹は弱い光でも生育できるためです。森は最終的には陰樹の林になります(極相林といいます)。日本の場合、極相林は主にブナやミズナラなどといった種類で構成されます。白神山地はブナで成立しているので極相林ですね。
このように森を見てみると今どの段階の森であるかわかります。
最後に
最後に山で私が実際に見た樹木の写真を一部ですが載せます。
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