私は今回自分なりに対策し、登山中や日常においてもアトピー性皮膚炎と上手にお付き合いできるようになりました。
アトピー性皮膚炎患者ってどのぐらいいるの?
アトピー性皮膚炎とは?
そもそも、「アトピー性皮膚炎」ってよく聞くけど、身近にアトピー性皮膚炎の人がいないと、ただ痒いだけ?・・・どういうものかわからないという人もいます。
アトピー性皮膚炎とは、かゆみのある湿疹が、慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。アトピー性皮膚炎では、皮膚の“バリア機能”(外界のさまざまな刺激、乾燥などから体の内部を保護する機能)が低下していることが分かっています。そのため、外から抗原や刺激が入りやすくなっており、これらが免疫細胞と結びつき、アレルギー性の炎症を引き起こします。また、かゆみを感じる神経が皮膚の表面まで伸びてきて、かゆみを感じやすい状態となっており、掻くことによりさらにバリア機能が低下するという悪循環に陥ってしまいます。
国立成育医療研究センターより
アトピー性皮膚炎の患者数は?
アトピー性皮膚炎の患者数は厚生労働省の調査によると以下のようになっています。平成26年の調査で約45万6千人、年代別にみると0~44歳の層で全体の約7割を占めています。
厚生労働省資料(アレルギー疾患対策について)
では、登山人口におけるアトピー性皮膚炎の患者数はどのぐらいかというと、実は正確な統計はありません。登山人口は少し古いですが以下のように推計されています。
15 歳以上の「登山・ハイキング」の行動者は972万7千人で,行動者率は9.0%となっています。男女別にみると,行動者数は男性が494万5千人,女性が478万2千人となっており,行動者率は男性が9.4%,女性が8.6%で,男性が女性より0.8ポイント高くなっています。
総務省統計局統計トピックスNo.96 登山・ハイキングの状況-「山の日」にちなんで-
日本の総人口に対する比率を考えるとアトピー性皮膚炎の患者数よりも登山人口の方が多いのです。私自身、調べるまで知りませんでした。なので登山人口におけるアトピー性皮膚炎の患者数はかなり少ないのではないかと推測されます。
私の症状
症状の経過
私が、アトピー性皮膚炎を発症したのは記憶がある限り、幼稚園ぐらいだったかなと思っています。その時は腕や課は新中心に痒かったのを覚えています。かきすぎで、血が出るほどでした。成長とともにアトピー性皮膚炎の症状は治まっていき、治っていたと思っていました。
次に症状が出たのははっきりと覚えています。研究室に配属になった大学3年の秋です。当時、アルバイト中に襟足にかさぶたができているのに気づきました。当時はまだ、アトピー性皮膚炎とはわからず、かさぶたを取ってました。そして汁が出るの繰り返し・・・本格的に研究室での活動(ゼミや実験、調査)が始まるにつれ、症状が全身に広がっていきました。前身はもちろん、頭の中にアトピー性皮膚炎ができ大変でした。頭の中にアトピー性皮膚炎があると、皮膚が落ちるのですが、ふけのようになるので、見た目も悪くなり、精神的に辛かったです。特に就活の時期はスーツに白い粉が乗るのでとても気を使っていたのを覚えています。
就職してからもアトピー性皮膚炎は続き、多くの病院で診てもらいました。全くよくならず、おかしな薬の組み合わせで、眠くなり日常生活に支障が出ていました。
転職後、職場の近くに会った病院がたまたまアトピー性皮膚炎に強く、薬の塗り方や保湿の方法を懇切丁寧に教えていただきました。そこからはよくなっていきましたが、寛解したとは言えない状況でした。
一番の転機は、仕事を辞め転職したことでした。プロフィールに記載したように激務で、ストレスのせいか毎日大量にお菓子を食べていましたが、現在の職場につき、お菓子を辞めたところ、劇的に回復しました。また子供ができたことで食生活が和食中心になったことも影響し、かなり良い状態になりました。
薬の強さの経過
アトピー性皮膚炎に使用する薬には薬(ステロイド)の強さによって段階があります。
ステロイドにはたくさんの種類があり、効果の強弱によって5つのランクに分類されています。
1. 弱い(weak):プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン酢酸エステルなど
2. 普通(medium):プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、トリアムシノロンアセトニドなど
3. 強い(strong):ベタメタゾン吉草酸エステルなど
4. とても強い(very strong):モメタゾンフランカルボン酸エステルなど
5. 最も強い(strongest):クロベタゾールプロピオン酸エステルなど
第一三共ヘルスケア https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_hifuken/qa/class_steroid/
私は最も強い(strongest)をずっと使っていましたが、現在はとても強い(very storong)と強い(strong)を併用しています。使用している薬はサレックス(very storong)とボアラ(strong)です。なお、飲み薬(アレグラ)は昨年までは飲んでいましたが、症状が落ち着いたことから今は飲んでいません。
他に試したこと
漢方
漢方薬を2年ぐらい飲みましたが、あまり効果は出ませんでした。体質的に合わなかった可能性が高いです。
乳酸菌サプリ
最近よく宣伝されていますが、私の体質的に合いませんでした。
針灸
アトピー性皮膚炎に効くか全くわかりませんでしたが、試しに受けたところ効きました。おそらく個人差はあると思います。
日常気を付けていること
- 保湿
- お菓子はなるべく食べない
- お酒はなるべく飲まない
保湿
日常、一番気を付けていることは保湿です。私が使っている塗り薬は、保湿とステロイドが混ざっているのをステロイドの強さ別に分けて処方してもらっているものです。これを症状の強さによって使い分け、朝とお風呂上りに必ず塗るようにしています。アトピー性皮膚炎にはよく保湿が重要と言われますが、なかなか毎日続けるのは難しいところです。薬をミックスしてもらうと保湿+薬を塗るが一気にできるので便利です。
お菓子
次に気を付けていることはお菓子はなるべく食べないことです(決して食べていけないことはないです、食べないことがストレスになることもあります)。特にポテトチップスなど揚げているお菓子を食べると私は必ず反動が来ます。和菓子などの場合はあまり影響がないので私は和菓子をよく食べるようにしています。
お酒
最後に気を付けていることはお酒をなるべく飲まないことです(大量に飲まないこと、少量ならOK)。昔は浴びるように飲んでいましたが、お酒を飲むのがめんどくさくなり、あまり飲まなくなってからは調子がいいです。お酒を飲むと血管が拡張され血流が良くなり、痒みが増しアトピー性皮膚炎が悪化するようです。
登山で気を付けていること
登山中気を付けていることは以下の2つです。
- アトピー性皮膚炎であることを最初に言う
- 山小屋でもどこでも汗を拭いたうえで薬をしっかり塗る
- ウェア
アトピー性皮膚炎であることを最初に言う
登山の前に「私はアトピー性皮膚炎です」とお客さんの前で必ず言います。言わないでいると「肌荒れてるけど大丈夫?」「アトピー?」などと必ず言われます(今までの経験です)。そうなると余計な気を遣わせてしまうので、最初にアトピー性皮膚炎ですと言っています。何よりも自分の精神衛生上、効果があり楽になります。また山の中で薬を塗ることにも抵抗がなくなります。
汗を拭いたうえでしっかり薬を塗る
アトピー性皮膚炎の人が必ずそうではないと思いますが、結構人目を気にすると思います。私もそうです。人目を気にしていて薬を塗らないと症状は悪くなってしまい、また人目を気にするの悪循環になってしまいます。そうならないために、山小屋で着いたらまず汗を拭いて、堂々と薬を塗って着替えています。
ウェア
ウェアについては人に寄りけりというところが大きいです。私の場合、メリノウールは肌に合っているようで1年中、アイスブレーカーのメリノウールを肌着として着用しています。化繊のアンダーウェアは肌に合わなかったため、使用していません。
最後に
と、かなり単純なこととなってしまいましたが、山の中でも日常と同様のことを気を付けています。基本がとても大事です。アトピー性皮膚炎の人はどうしても見た目が悪くなりますが、堂々としていれば問題ないです。ウェアについては化繊よりもウールの方がいいと思いますよ。
以上となります。お読みいただきありがとうございました。
登山教室の方も見ていただけると嬉しいです。申し込んでいただけると泣いて喜びます。
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